祝・羽生九段王将戦挑戦! ~ 世代間対決実現の重み ~

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すでに多くの人が言及していると思うが,同世代(1年下)の将棋ファンとして,このグッドニュースに触れないわけにはいかない。

藤井さんがプロ棋士になった2016年に,羽生さん(当時はタイトル複数保持)がインタビューで「大舞台で戦えるのを楽しみにしています」とコメントした際,記者に「彼は上がってきますか?」と更に聞かれ,「それよりも,その日まで私が今の地位に残っていられるかだと思います」と答えていたのが印象に残っている(細かい文言はうろ覚えですが)。 やはり頭の良い人は,自分を客観的に見ているのだなと思った。

 

実際はそれよりも早く,藤井さんが初タイトルの棋聖を獲得する2020年よりも2年前,2018年に羽生さんは無冠になり,タイトル戦はすれ違いで実現しなかった。
だから今回の王将戦は,どちらが勝つのかも大事だが,とにもかくにも「藤井 vs 羽生」という世代対決が実現したことそのものに大きな意義があるのです。

 

同様のシチュエーションだと,大きな一時代を築いた中原誠十六世名人も,羽生さんとのタイトル戦はついに実現しなかった。
すでに全盛期を過ぎていた中原さんが竜王戦の挑戦者決定三番勝負まで進出し,さらに1勝したときは大いに盛り上がったが,森内さんに阻まれた。
(2chで「森内空気嫁」と散々言われていたのは気の毒だった)
そういう意味でも,将棋ファンにとって,今回のタイトル戦は注目なのです。

 

将棋に限らず,「全盛期を過ぎたかつての王者が若手と戦う」という場面は,名勝負を生み出してきた。
ボクシングなら,1974年にモハメド・アリジョージ・フォアマンを倒した「キンシャサの奇跡」。
プロレスなら,1984年にジャイアント馬場がスモールパッケージホールドでスタン・ハンセンから3カウントを奪ったPWFヘビー級選手権。
相撲なら,2002年秋場所で長期休場明けの貴乃花朝青龍を右上手投げで倒した一番。
(年上が勝った例だけ挙げるのは不公平だとは思いますが・・・)

 

今回の王将戦,歴史に残る勝負・棋譜を残してくれることに期待します。