わが愛すべきゲーム自分史(27)1991年・19歳  ~ 名作推理アドベンチャー「オホーツクに消ゆ」 ~

ミニゲームの話を書きながら、「そういえば、ゲーム内ミニゲームのはしりって何だろう」と考えてみた。
ドラクエⅣのカジノあたりかなと思っていたが、「あ、あれがあった」と思い出した。
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大学2年生になり、初期(1983~85年)のファミコンソフトへの興味も一段落すると、ドラクエのようにストーリーがあるゲームをやりたくなった。
そこで、新しいジャンルとして「推理アドベンチャー」を1本試してみることにした。

 

北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆアスキー

北海道の地図のイラスト(都道府県)

推理小説は、マニアというほどではないが、横溝正史の「犬神家の一族」「八つ墓村」を中学生で読破するなど、そこそこ興味はあった。

これがゲーム上でどのように表現されるのか。


※ ただ、名作の誉れ高いポートピア連続殺人事件は、残念ながら買ってまでプレイする気になれなかった。今よりはるかに情報源の少ない当時ですら「犯人は■■」だと知れ渡っていたので……)


※ 私がプレイしたファミコン版の「オホーツクに消ゆ」は、後期版になるらしい。パソコン用に作られた前期版とは途中でストーリーが変わり、犯人も違う。

 

まず、ストーリーは極めて秀逸。
東京で起きた殺人事件を調べるうちに、北海道へと誘うヒントが見えてくる。
北海道へ行けば、複雑に絡む登場人物や、新たな謎が行く先々で投下され、初めは訳が分からなくなるが、だんだんに紐解かれていく。
捜査を引っかきまわす「めぐみ」の存在も良い息抜きになる(伝説の裏技も含め)。
また、このゲームで二ポポ人形を初めて知り、卒業前に1人旅で北海道へ行った時には網走刑務所で実際に買いました。

 

で、複雑な捜査に行き詰まった時に頼るのが「トランプをする」コマンド。

トランプのスペードのイラスト(数字・1)

なぜか部下とブラックジャックをするという荒唐無稽なシチュエーションなのだが、これに勝つと、次に行くべき場所(要するに、立て忘れているフラグ)を教えてくれるのが良い。
これが意外と手ごわいのだが、あまり時間がない時などは、このトランプだけを息抜きにやったりもした。

 

ゲーム制作側の思惑を推測するに、このミニゲームの意義は「長く遊んでもらう」ことなのだろう。
ストーリーのあるゲームは、一度クリアしたらもう一度遊ぶ動機づけが難しくなる。この欠点を補うために、クリア後も遊んでもらえるサブ要素を追加するのだと思う。

 

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ファミコンアドベンチャーゲームは、パソコン時の「コマンド入力方式」ではなく「コマンド選択方式」を取り入れたため、分かりやすくて評判が良かった。
ただ、コマンド総当たりで最終的には誰でもクリアできるため、一本調子な展開になりがちで、制作側は変化をつけるのに苦心したらしい(ファミコン探偵倶楽部シリーズの迷路など)。
このため、現在このジャンルは昔ほどメジャーではない模様だが、様々な工夫が加えられ、逆転裁判のようなヒット作も生まれている。
また、サウンドノベルビジュアルノベルではマルチエンディングを採用するなど、独自の進化を遂げている。
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