わが愛すべきゲーム自分史(29)1991年・19歳  ~ クソゲー以上良作未満 ~

1980年代後半~90年代初頭はファミコンソフトがたくさん世に出た時代で、後世に残る名作もあれば、後世に語り継がれるクソゲーもあった。
しかし実際には、このどちらにも属さないような「微妙に面白くない」「微妙に操作性が悪い」「でもネタとしてはまあまあイケる」といったゲームが大多数だったように思う。

 

自身を思い返せば、この時期に自腹で買ったソフトは、アーケードの移植版や王道タイトル(ドラクエスーパーマリオ)も一応あるが、上記のような「評価のあいまいなソフト」をなぜか選んでいたように思う。

きょうは、そんな作品をいくつか紹介します。

 

テトリス(BPS)


詳しくは書かないが、テトリスの版権問題は非常に複雑で、各社からいろいろなタイプのテトリスが発売された。
ゲームボーイテトリス任天堂)は空前のヒット作となったが、ファミコン版は少し勝手が違った。
初期画面で虫食い状態のテトリミノが積み上げられていて、ハイレベルモードだと画面の2/3くらいを占領している。これを取り除きながら所定のライン数をクリアするというスタイルで、ドクターマリオの感覚に近い。
このため、4ラインまとめて消すような爽快感がほとんど実現しない。
また(私の記憶が正しければ)、十字キーでテトリミノを回転させ、Aボタンで落とす操作性だったはず。この感覚になれるのにはかなり時間がかかった。

 

アメリカ横断ウルトラクイズ 史上最大の戦い(トミー)
本家の番組にも3回参加したが、東京ドームの第一次予選で瞬殺された。
その憂さ晴らしではないが、ゲームで疑似体験できると思って買ったものの、番組とは全く違う演出。
笑わせてくれるのは、ニューヨークで優勝したあと、地球を反対方向に回って日本に帰るRPGに変身すること。
また、RPGでもクイズが出題されるのだが、問題総数2000問のはずなのに、3~4問に1回は「タラちゃんとイクラちゃんの関係は?(答:はとこ)」 が繰り返し繰り返し出てくる。
この「タラちゃん攻撃」は一部界隈では有名で、結構長い間ネタにされていた。

ウィキペディアによれば、ゲームボーイ版のウルトラクイズはそこそこ番組を再現していたらしい。また、後に発売されたPS2版の再現度は、もはや芸術の域)

 

中嶋悟 F1HERO(バリエ)
ファミコンのスペックの中では頑張ったグラフィックと、疾走感はなかなか。
ただ、ギアをマニュアルで上げていくタイミングが難しいのと、ハンドリングがかなりシビア(すぐスピンする)。
すべてのコースの特徴を中嶋悟氏が解説してくれるのはよいが、ラスボスが中嶋氏という露骨なえこひいき。
これ以降、ファミコンでも続編が出され、スーファミでも発売されるなど、メーカー側の推し具合が半端ない。

 

余談だが、ファミコン時代には芸能人とタイアップしたソフトが多く出された。
さんまの名探偵など高評価作品もあるが、大半はゲームとしての評価に疑問符がつく。
なかでも、舛添要一 朝までファミコンは、私はプレイしていないのだが、珍作として語り継がれている。

 

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30年経ったあとの結果論じみた感想だが、
この時期に名作と呼ばれたソフト(ロックマン魔界村グラディウス等)は、2010年代になってエミュレータバーチャルコンソールで楽しむことができたが、上記のようなソフトはまず再販されることはないので、遊ぶチャンスはその時代にしかなかったことになる。
こうしてレアな体験を記憶し、ネタとして提供できるのも、長い目で見ればメリットなのかも(と言って無理やり自分を納得させる)。