わが愛すべきゲーム自分史(31)1991年・19歳 ~ ストⅡとの出会いと諦め ~
1991年のアーケードゲーム最大のヒット作が「ストリートファイターⅡ」であることは論を俟たないだろう。
私がゲームの常宿にしていたボウリング場や過疎ゲーセンにも導入され、私も、高校時代の初代は見る専門だったが、今回は何度かプレイし、「キャラクターの個性」「多彩な技」「優れたゲームバランス(誰を選んでも極端に勝率が偏らない)」に魅力を感じていった。
ただ、私のテリトリーには所謂「ガチゲーマー」がいなかったため、順番待ちもなく自由に遊べた反面、後のeスポーツ文化の礎になった「ゲーセン文化」「格闘ゲームコミュニティ」などとも無縁だった。
当然のことながら、「キャンセル技」「フレーム」「硬直差」「確定反撃」といった格闘ゲーム特有の理論・概念も、自分の周囲では理解する人も語る人もいなかった。
私も、こんな用語を知ったのは数年前というありさま。
これも巡り合わせのうちなのだろうが、自分が仮にガチ環境に置かれたら、そのなかで切磋琢磨して上達しただろうか。
たぶん、早々にドロップアウトしたと思う。当時の自分には100円玉を積んで戦場へ赴くだけの覚悟はなく,「スーファミで発売されたら、本体と一緒に買おうかな」というヌルいことしか考えていなかった。
25年以上後になって日本にもeスポーツが定着したいま、「あの頃もう少し頑張ってればよかったかな」と思わないでもないが、当時はクイズの特訓もしていたし、大学の勉強も落第しない程度には取り組んでいた。これ以上のリソースは割けなかっただろう。
隣の芝生は青く見えるものだ。
いま私は、プロ格闘ゲーマーの凄さをリスペクトしながら、ストVでコーディーを選び(彼も地方公務員なので)、ブロンズ帯で底辺レベルの対戦をそれなりに楽しんでいる。